トゥモロー・ワールド@MOVIX亀有

id:zoot32さんが絶賛していたトゥモロー・ワールドを観て来た。
「トゥモロー・ワールド」を見たゼ!(ネタバレなし)
「トゥモロー・ワールド」を見たゼ!(二回目)

なんと言うか、最後まで物語の根本的な謎の説明も解決もされないし、ストーリー展開に凄い意外性があるわけでも無いし、一言で言えば『ひたすら凄い映像テクニックで「絶望」を撮っていきながら、事件に巻き込まれた主人公の視線で進むロードムービー?』と言った感じでSF映画では無い。
だけど、最初の爆弾テロのシーンから最後までまったく余計なことを考える余地も無くひたすら映画に引き込まれ、没頭した。大抵ちょっと気を抜いた隙に雑念が割り込んで来る私なのでこう言う事は本当に珍しい。

制作者は、この物語を、映像の持つ力によって伝えようとし、また、すべてを映像で語りきってしまおうという意志を持っていたはずである。 そうした試みは、みごとなまでに成功しており、どのシーンも、まるでひとつの絵画のように、うつくしく切り取られている。 あらゆるシークエンスは、緊張感をまったく失わず、また、ほとんど震えがくるほどに、映像はまっすぐに突きささってくる。

終盤の戦場シーンが物凄い長回しになってるのには、レンズに血糊が付いたままにストーリーが展開して行って初めて気付いた。あの血が計算ずくだったりCGだったりしたら凄いテクニックと言うか演出技法と言うか。

しかし、こう言う陰鬱な雰囲気を撮ろうとすると本当にイギリスは似合う。
トレインスポッティングとかマイ・ビューティフル・ランドレットとかの空気がどよんとした感じ。
どんなに愉快で楽しくても絶対ロンドンには住みたくない気になる。不法移民対策の一環?


半ば放心状態で映画館を出る。
と、このシネコンの同一フロアにはアカチャンホンポもあるわけで、映画館の外ではガキンチョが大量に喚き回っていた。


まだ映画の余韻が残ったままその風景を見ていたらなんだか涙が出てきた。