下北ショーGEKI夏祭り2007『もう泣くもんか と誓った私の瞳は涙の虜』@ 下北沢「劇」小劇場

ショーGEKIの夏恒例下北沢興行。下北ショーGEKI夏祭り2007
今年は毎年恒例の『ダンパチ5』と女子劇の『もう泣くもんか と誓った私の瞳は涙の虜』の二つ。

どっちを観ても良かったので、19:30までに下北沢に着くように仕事を上げられる日を選んで行ったら『もう泣くもんか と誓った私の瞳は涙の虜』の方だった。

彼女は悲しくても、寂しくても、楽しくても
うれしくても、きつくても、辛くても
が出てきます。
昨日を思い出しても 明日を夢見ても
が出てきます。
そんな泣き虫女の美ゆが
今日、をしました。
だから当分は止まりません。

配役:
美ゆのお母さん ケイ子・中津川浩子

小学生の美ゆ・吉川亜州香
中学生の美ゆ・廣田朱美
27歳の美ゆ・小林こずえ
39歳の美ゆ・竹内美保
美ゆの前に現れる男・山本諭
美ゆの前に立ちはだかる女・松原由賀

  • なんと言ってもお母さん役の中津川さんが非常にスケールの大きい演技、と言うか完全に芝居の芯となっていて素晴らしかったです。この芝居は中津川さんが居なければ成立しなかったでしょうってくらい。役だけじゃなくて本当にこの芝居のお母さん的な雰囲気すら漂ってました。
  • 小学生の美ゆ役の吉川さんは、役の年齢の所為なのかさすがに泣きっぷりが一番派手で、他の年齢シーンの内面表現でも一々表情の幅が大きくて、凄くコミカルでちょっと悲しい感じがとても良かったです。反動で59歳の美ゆの色々あって幸せな感じもとても良かった。
  • 中学生の美ゆ役の廣田さんは、ちょうどグレてヤサグレている年齢の役でしたが、普段の「だ〜りぃ」って感じと(やたら可愛い女子が間を持て余すとだりぃだりぃ言いながら唾を吐くのが何だか妙に面白くて一々笑ってしまった)、何かが心の琴線に触れて急に戸惑う感じの可愛らしさがとても良かったです。
  • 27歳の美ゆ役の小林こずえさんは、パッと見はまっすぐに頑張って働いてるデキルOLぽさが良く出てて、それ故に肝心な所で素直になれずに傷ついていく感じも、なんと言うか身につまされるくらい良かったです。この年齢場面の素直になれない内面人格のあたふたした連携描写が一番面白かった。「味噌つくるわ!」
  • 39歳の美ゆ役の竹内美保さんは、27歳からのギャップが大きい分、色々あったんだなぁ感がよく感じられました。便秘ドリンクは毎回違う配合なのでしょうか?最後に、それまでドタバタやってた内面人格がみんな未経験のためかジッと見守ってるシーンもグッと来てホロッと来てしまいました。
  • 美ゆの前に現れる男役の山本諭さんは、去年の夏公演に来なかったのでチャンピオンでの端役しか知らなかったのですが、色んな役を卒無くこなして良かったです。渡り鳥風の小学生役はノリノリな感じが伝わってきてこっちも楽しくなりました。
  • 美ゆの前に立ちはだかる女役の松原由賀さんは、今回がショーGEKIでは初出演作の様ですが、ぶりっ子の小学生からいじめられっ子の中学生に高飛車で嫌な女上司・恋に盲目の女子大生まで色んな役をこちらも卒無くこなしてとても良い助演でした。これからが楽しみです。個人的には嫌な上司役が一番良かった。

芝居観ながら初めて泣いてしまった。